景気の予想をするのはあまり得意ではないのですが、良く聞かれるので......今日は記事にしてみたいと思います。, 当然ですが、将来予測は外れる可能性も相当ありますので、皆さんがこの記事を信じるかどうかは自己責任でお願いしますね。, 今日の記事では、アメリカと日本の「経済全体」とアメリカと日本の「スタートアップ界隈」の4つに分けて私の見解を書いてみます。, はじめに、アメリカを中心にした経済全体で見ると、2020年11月のアメリカ大統領選挙までは景気は今と同じくらい良いままなのではないか、と思います。, 現職のトランプ大統領は少なくとも11月の選挙までの間は景気を良いまま維持するインセンティブが非常に強いので、トランプ政権としてはあらゆる手を使って今の好景気を維持してくるのではないかと思います。, アメリカの金利は2008年のリーマンショックの後、日本のように一時的に0%に近い水準まで金利を落としましたが、2015年頃から金利を上げ始めました。, 2019年は政策金利を下げる「利下げ」と呼ばれるアクションが3回行われました。不動産や自動車など大きな買い物に対する現状の購買意欲を下げないように、中央銀行がかなり神経質に金利をコントロールしている様子が伺えます。, 金利を上げすぎないようにコントロールすることで、消費行動を減らさないようにし、かつ金利が下がると株式市場に資金が流れやすくなるため、株式市場が好調になる可能性が高くなります。, おそらく大統領選挙が終わるまでは、これまでのような慎重な金利コントロールをしながら、現状の景気を維持してくるだろうというのが私の見方です。, 日本経済は、2021年9月までの安倍首相の任期中は大丈夫ではないかと思います。安倍首相はそれ以降の続投に否定的ということなので、次の首相になって、特に財政政策周りで大きな変更があるかどうかが最大の焦点だと思っています。, (誤解を恐れずに言えば)誰もが絶対失敗すると反論を唱えた、「お金を刷って円安を誘導して、輸出企業の利益を増やす」という非常に分かりやすいアベノミクスを継続できるかどうかが焦点なのではないかと思います。, このグラフの青い棒グラフ部分にあるように、マネタリーベースが圧倒的に増えて、それに伴って円安が進行したというのがアベノミクスの最大のポイントではないかと私は考えています。, 日本経済全体で見ると、日本はまだ製造業の国であり、「製造業の輸出で稼ぐ」というのが基本的なPLの構造です。円安(=ドルの価値が上がるので、日本円に換算すると円高の場合より手にできる円が増える)になれば、輸出企業の利益が増えることになりますので、それで潤っているというのが今の日本経済だと言えるでしょう。, アベノミクスにどの程度の持続性があるのか?という質問に関しては私はよく分かりませんが、少なくとも過去数年間の民主党政権時代に比べると圧倒的に景気が良くなったことは皆さんもご存知ではないかと思います。, 現時点でアベノミクスを超える経済政策があるとも思えないので、安倍政権の次の政権が同じ路線を踏襲できるかどうか、というのが日本経済の最大の焦点ではないかと思います。, なお、「オリンピックが終わることで景気が悪くなる」という方もいますが、個人的には全くそう思いません。, というのは、東京というのはすでに十分に発達した都市のため、オリンピックのためにゼロから街を作るということをしている訳ではありません。多少のアップダウンはあるかもしれませんが、世界で最も発達した都市の1つである東京が、オリンピックの設備投資くらいの規模で景気が揺らぐとは全く思いません。, さて、次にアメリカのスタートアップ関連の主に資金調達周りの景気を予想してみたいと思います。, 2019年のアメリカシリコンバレーの景気というのは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの登場によって完全に一変したと言って間違いないでしょう。, ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が、主にレイターステージ(ベンチャー企業でもすでに事業がある程度軌道に乗って安定している企業)ですでにIPOができるくらいの規模の会社に対しても、高いバリュエーションで良いオファーをし続けたことで、アメリカやシリコンバレー全体のスタートアップが金銭的に潤ったということは間違いありません。, 一方で、2019年の後半に起こった「WeWorkショック」(シェアオフィス事業を展開し、上場直前だったWeWorkにSVFが時価総額5兆円という評価額をつけ、約1兆円の投資をしましたが、その評価額に他の投資家から疑問符がついたことで、創業CEOが辞任し、上場も取り止めとなった)により、SVFが悪者になってしまいました。その影響でアメリカのスタートアップ周りの資金調達環境は、レイターステージを震源地として、収縮が始まっているかと思います。, アーリーステージの企業への投資にこの波が来るまでに多少の時間がかかるとは思いますが、SVFの2号ファンドが立ち上がるかどうかが最大の焦点ではないでしょうか。, もしSVF2号ファンドが(1号ファンド並み=9兆円超のサイズで)立ち上がれば、これまでの景気が継続するかもしれませんが、そうならなければ投資家の財布は閉まっていく一方でしょう。, ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、2号ファンドの資金調達に大変な苦労をされているかと思います。しかし何かしら必ず前に進む会社だとも思いますので、今後どうなるのか注目していきたいと思っています。, 最後に、日本のスタートアップ関連の主に資金調達周りの景気を予想してみたいと思います。, このグラフにあるとおり、過去2年間で日本のスタートアップの資金調達の環境は大きく変わってきました。, 読者の中にはご存知の方も多いかもしれませんが、このスタートアップ景気を支えているのが、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC=投資を事業の柱としないが、自社の事業とシナジーが見込めるベンチャー企業に投資する企業や部署)と呼ばれる存在です。, ベンチャーキャピタル業界全体の中に占めるCVCの割合が大きいのが、日本のベンチャーキャピタル業界の大きな特徴です。, 前述の通りアメリカのスタートアップ界隈の景気の見通しはあまり良くありません。しかし、日本のスタートアップ周りの資金調達環境は、CVC側に大きな未消化分(すでにCVCなどを設立するなどコミットしてしまって投資予算がまだ消化しきれていないという意味)があるので、アメリカのスタートアップの資金調達環境が悪化しても、日本のスタートアップはそこまで影響は受けないでしょう。, むしろ日本の場合は、CVCとして投資をする大企業の決算の影響が大きいので、ここもアベノミクスが継続されるかどうかが最大の焦点なのではないでしょうか。, CVCは大企業が自社で稼いだお金を直接投資をしたり、あるいはファンドを組成して投資をしたりすることになりますので、大企業の決算がとても重要になります。, 個人的には首相が変わった後も、経済政策としてアベノミクスのような政策が継続されるのであれば、まだまだ企業の好景気が続くため、すでに設立したCVCを継続する方向に動きやすくなるのではないかと思います。, 冒頭にも書いた通り、将来予測はあまり自信がありませんが、是非1年後に皆さんと一緒に答え合わせができればと思います。, シバタナオキ:SearchMan共同創業者。2009年、東京大学工学系研究科博士課程修了。楽天執行役員、東京大学工学系研究科助教、2009年からスタンフォード大学客員研究員。2011年にシリコンバレーでSearchManを創業。noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中, 東京五輪、大統領選挙、宇宙開発…2020年のファッショントレンドはビッグイベントの影響を受ける, 「変わらなければ離婚される」ホールフーズCEO、アマゾンによる買収を"結婚"に例える, アメリカでは231年の歴史で初めて、フルタイムの仕事を持つファーストレディー誕生か, フィンランド、テック人材向け「移住促進パッケージ」提供開始。住居、オフィス、託児所…すべて無償提供, 【米大統領選】リベラル派が「選挙を盗もうとしていた」? トランプ大統領の支持者ら、選挙結果に抗議の声, 開設から数時間で1000件以上の通報…… 香港警察、市民に国家安全維持法の違反を密告してもらうホットラインを立ち上げ, 【週間天気予報】東京は5℃予想の日も。週前半は強い寒気南下 11/10(火)〜11/16(月), 会社はもはや社員のキャリアを守れない。「変化の時代」の生き残り戦略はこの6パターン【田中研之輔】, アクセンチュアが考える「コンサルタントに必要な能力」──全ての本部にデジタル人材を再配置した理由, 着眼点は「クモの糸」。ノースフェイス、sacaiが注目する新素材はこうして生まれた, Copyright © 2020 Mediagene Inc. All rights reserved. 2020年後半の新型コロナ感染拡大後のアメリカ経済の現状と今後の景気動向について考察します。2020年7月30日、アメリカ商務省は同年4-6月期のgdp(国内総生産)の伸び率が前期比マイナス32.9%となったと発表しました。 2020年7月も終わったので、この1ヶ月の動きを振り返っていきます。7月になってから企業の決算シーズンが始まり、またGDPの発表などもあったことから4-6月期の経済の様子が少しずつ明らかになる月でした。, 4-6月の景気は控えめに言っても、アメリカの経済はボロボロでした。しかし、極度の低迷は既に谷を超えて4月から6月にかけて消費が回復している様子も見えてきており、今後の景気の回復を見据えた株式投資家は株を大きく売ることなかったため、比較的平穏な市場が続きました。, 6月中旬から懸念していた新型コロナウイルスのアメリカでの感染拡大も少しずつ勢いが弱まってきたのも良い知らせですが、コロナ前の経済にもどるには時間がかかるようで、それまでFRBと米政府の大量のマネーの供給はまだまだ続きそうです。, 既に株は割高にも見えるので一時的に調整が入る可能性もありますが、大きな流れとして世の中にあふれるマネーがあらゆる資産の価格を上昇させる動きは続きそうです。, しかし、4-6月は暗い材料ばかりではないようです。各企業の決算を見てみると、四半期の後半は数多くの企業が業績が回復しつつある発言しています。, 例えば、Visaが発表した4-6月期のカード決済データを見てみると、6月中旬以降は前年と同じ水準までカード決済金額が回復しています。, 7月中旬から始まった決算シーズンを見る限り、いくつかの傾向が見られている気がします。まだ決算シーズン序盤なので、傾向を一般化するのも早い気がしますが、今見えている傾向をいくつかこのページでまとめておきます。, また、コカ・コーラのCEOは「先行きはかなり不透明だが4-6月期がもっとも困難な時期だったと後で分かるだろう」と発言しており、最悪期は脱したと認識を示していました。, コカ・コーラの20年4-6月期決算は予想ほど業績が悪化しませんでした。また、コカ・コーラのCEOは「先行きはかなり不透明だが4-6月期がもっとも困難な時期だったと後で分かるだろう」と発言しており、最悪期は脱したと認識を示しました。, その他の企業の結果を見ても、どうも4月上旬が景気の谷で、そこから景気は回復傾向にあるようです。, コカ・コーラCEOの認識が正しいなら今後のアメリカは景気回復に進んでいくはずですが、そこで気になるのは「コロナ前の景気の水準にいつ回復できるか」です。, 市場は2021年後半にはコロナ前の景気に回復すると考えているようですが、この道のりはもう少し長くなる恐れも出てきています。, アメリカの新規失業保険申請数を見てみると、急増した3月か6月末まで順調に減っていましたが、7月後半から2週連続で再び増加しています。, 景気回復まで一筋縄では行かない様子が見えています。失業率が上昇すればアメリカの経済を支える個人消費が伸び悩むので、コロナ前の景気に回復するまでには、まだかなりの時間がかかりそうです。, 失業者の増加の背景には新型コロナウイルスの感染再拡大が7月に進んだことが挙げられます。6月中旬に新規感染者が1日2万件だったのが、今や1日7万人に増加しています。, 世界でもっとも深刻なペースで拡大しているアメリカで新型コロナウイルスですが、7月中旬以降に感染拡大のペースを抑えることに成功しつつあるデータが出てきています。6月中旬から7月上旬にかけての感染拡大ペースが続けば、再度厳しいロックダウン(都市封鎖)になる都市がアメリカで出ると考えて投資資金の一部を残してきましたが、ロックダウンの可能性はわずかに下がりつつあります。, まだ低迷が続く景気を支えるために、FRBや米政府はさまざまな景気刺激策を通じて、世の中に大量のマネーを供給する可能性は高いです。, 7月に開催されたアメリカの金融政策を決めるFOMCでは、引き続き緩和的な金融政策が続ける意向がFRBパウエル議長から示されました。, 溢れている世の中のマネーはさまざまな市場に流れ込んで、7月は株も金も国債もあらゆる資産の価格が上昇しました。, 特に、2020年7月はゴールドの価格上昇が著しく、過去の歴代最高値を更新しています。, 歴代最高値を更新すると「さすがに上げ過ぎだから、もうそろそろ下がるのでは」と考えたくなるものです。しかし、ゴールドの価格が上昇している要因の低金利とインフレの傾向を見てみると、それらの傾向が変化している様子はまだ見られません。この記事では、ゴールド最高値を更新したゴールドの売りどきを考えていきます。, また、ビットコインもこの流れに乗ったようで、だいぶ予想価格に近づいて上昇しました。, さすがに株はかなり割高なので一時的に調整が入るかもしれませんが、コロナ前の景気に回復するまでしばらく時間がかかること、それまでアメリカでは景気刺激策でマネーが溢れることを考えると、しばらくはあらゆる資産が上昇しやすい気がしています。, 資産額は$318,517ドルで、3,371万円でした。今月はあらゆる資産が上昇したので、資産額はかなり順調に増えました。, ちなみに、この資産額には米国株の含み益20%分、ビットコインには含み益の55%は税金で取られるものとして除いてます。(ビットコインの税金は実際には55%も取られるほど含み益は出していませんが、面倒なのでいつも55%で計算しています), 2014年の株資産の推移はこちらです。2018年9月以降は追加で入金していません。, 上の図では今年のリターンが分かりにくいので、2020年になってからのリターン(年初来リターン)をまとめると以下のようになります。, 年初来リターンは株の含み益(20%)とビットコインの含み益(55%)は税金で取られるものとして除いている一方で、比較対象のS&P500のリターンは税なしで見ています。, 資産構成は、金とビットコインの価格が上昇したことで、この2つの割合が増えています。, 恐らくビットコインは2021年まで米国株のリターンを上回ると考えているので、しばらくはビットコインの割合が増えても気にせず放置するつもりです。ビットコインの価格の動き方にもよりますが、リバランスは2021年後半頃を考えています。, この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。, 「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい(※金額は自由に変更できます)。, 価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。, 決算を見る限り4月から6月へと日が立つにつれて消費は回復している様子も見えているが、コロナ前の水準に景気が回復するまでには時間がかかりそう。, 新型コロナウイルスも7月後半からアメリカでの拡大のペースは鈍化したが、依然として世界一の感染者を出している。, こうした状況の中で、景気を支えるために依然として多くのマネーが世の中に溢れている。7月の株の上昇は限定的だったが、国債やゴールドやビットコインまであらゆる価格上昇が見られた。, 先の見通しは不透明だが、第2四半期(4-6月期)が最も困難で、強く影響を受けた時期だったと後で明らかになると確信している。, 政府は対応策を学んで賢くなっており、全世界が同時に都市封鎖されるような事態になるとは考えにくい。, ウイルスが再流行している地域・都市はあるが、業績低迷が2-4月以上に悪化している様子はない。. 2016年11月にトランプ大統領が大統領選で勝利して以降、アメリカの株価は右肩上がりを続けてきており、連動するように日本の日経平均株価も好調な状態を続けています。アメリカ第一主義にこだわった強引な政策をとるトランプ大統領ではありますが、経済に関する実績は確実に残していると言えるでしょう。, 過去最高の株価、失業率の改善、史上最長の好景気などアメリカの経済に関するニュースは良いものばかりです。アメリカの経済に大きな貢献をしているトランプ大統領ですが、2020年11月の大統領選再選に向けて「好調なアメリカ経済」を武器にして挑むつもりでした。, しかし、アメリカの経済は新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろに受けてしまいます。, 今回はアメリカの経済や株価の見通し、今後株価に影響を与える可能性があるアメリカの経済指標などについて解説します。, 2020年3月9日(月)アメリカのニューヨーク株式市場では新型コロナウイルス感染拡大を不安視する市場の動きを受けて前週末比2,013ドル安の23,851ドルになり、過去最大の下げ幅を記録しました。さらにその2日後、前日比で2,353ドル安の21,200ドルまで値を下げて、再び過去最大の下げ幅を記録する事態になります。, この下落率10%という数値は、1987年10月に起きた「ブラックマンデー」の22%に次ぐ記録で、日本も含めて世界中の経済に衝撃が走りました。感染拡大や急激な株価下落という異例の事態を受けてトランプ大統領は3月13日(金)に国家非常事態宣言を発表し、500億ドルの追加予算投入、FRBによる1兆5,000億ドルの資金供給、そして600億ドル分の国債購入を実施することを決定します。, しかし、3月16日(月)には予想に反して、史上最大の2,997ドルの急落という結果になりました。アメリカ政府による経済救済政策をかえって不安視する投資家が多かったのです。好調だったアメリカの株価はわずか1週間の間で3回も取引を一時停止する「サーキットブレーカー」が発動してしまう異常な事態になってしまいました。, 2020年3月に起きたアメリカの株価暴落は主に3つの要因があると考えられています。, アメリカ株価暴落のひとつめの要因がヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が本格的になったことです。イタリア、スペイン、フランスなど主要国で感染が拡大し、イタリアでは移動制限や、食料品店と薬局を除くほぼ全ての全面閉店などの措置が取られました。, また、スペインでは非常事態宣言、フランスも全面閉店や罰則付きの外出禁止令に踏み切ったことなどによる「ヨーロッパの経済活動の停止」を懸念したことが背景にあります。, アメリカの株価暴落の2つめの要因が、新型コロナウイルスの感染がアメリカ経済の中心地であるニューヨークで広がったことです。ニューヨーク証券取引所があるニューヨーク州では3月7日(土)に非常事態宣言を発表しており、この時点で感染者が100名を超える事態に陥っていました。, アメリカ経済の中枢であるニューヨークで感染が広がったことは、多くの投資家の不安を買ったため、株価の暴落に拍車をかけたとされています。, アメリカの株価が暴落した3つめの要因が、暴落の前(3月6日)に開催された石油輸出国機構(OPEC)の「OPECプラス会合」において、サウジアラビアとロシアの間で原油減産協議が決裂したことが挙げられます。, 会合参加国は世界経済の停滞による原油需要減少を見越して産油量の削減を協議しましたが、ロシアが反対し交渉は決裂。これに反応したサウジアラビアが4月の原油供給量を最大量の1,230万バレル/日まで引き上げる方針を表明しロシアに対抗、さらに原油市場シェアを拡大しようとする動きを見せました。, 事実、株価暴落を受けてアメリカのトランプ大統領はサウジアラビアとロシアの原油を巡る対立が株価暴落の原因だとツイートしています。アメリカの市場関係者の間では、原油減産を巡る対立が株価暴落を悪化させたと見る声が多いようです。, アメリカの株価暴落を受けてアメリカ政府は様々な救済策を発表しています。これらは株価の復調にどのように繋がるのでしょうか?, トランプ大統領は新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために非常事態宣言を発表しました。この背景にはアメリカ議会によって認められた多額の災害救済金を投入できるという狙いがあります。, これにより500億ドルもの追加予算を治療、検査、医療品の購入、隔離などに使えることになります。つまり、この予算を使って間接的に市場の混乱を防ぐ目的もあるのです。非常事態宣言は実質的には経済支援策とも言えるでしょう。, アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は株価暴落を受けてあらゆる手を打っています。その中でも3月15日に緊急で決定されたのが「ゼロ金利政策と量的緩和」です。FRBは3月3日に続き(1.00%-1.25%に利下げ)、政策金利をさらに1%引き下げて0-0.25%という実質的なゼロ金利政策を決定します。さらに、国債などを7,000億ドル買い入れて市場に資金を投入する量的緩和にも踏み切りました。, この緊急対応は2008年のリーマンショック以降初めてで、アメリカの中小企業の資金繰りを円滑にするなど、大きな影響を与えるとされています。皮肉なことに、この発表を受けたニューヨーク市場はかえって不安が高まったとしてさらに値を下げる事態になりました。, これに先立ってFRBは短期金融市場に1兆5,000億ドル(約150兆円)の資金供給を決めるなどをしており、連日のように異例の対応が続いています。市場ではFRBの対応を評価する一方で、対策の行き詰まり感や有事の本格化などネガティブな反応が続いています。, トランプ大統領は新型コロナウイルス感染拡大を受けて色々な救済策を打ち出し、議会と調整するとしています。例えば、給与税(ペイロールタックス)の減税、航空業界やホテル業界への支援、中小企業支援などを挙げていますが、議会との協議が難航すると予想されており、これらの支援政策が具現化するのには時間がかかると見られます。, このようにトランプ大統領の特権で決断できる非常事態宣言や、FRBによる金利政策などは速やかに実行されましたが、議会との調整が必要な政策については選挙中ということもあり、難航しそうです。, 株価暴落を受けてFRBが決めた利下げ、莫大な資金投入、国債の買い入れなどは早い段階で実施されましたが、景気の押し上げ効果は先の話であり、市場ではいまはリスクを回避することの方が優先されています。つまり、効果を実感できない状態にあります。, このリスク回避の流れには「これから景気後退が本格化する」という観測を含んだ動きもあるため、FRBの支援策は中長期で見ても機能しないのではないかとされています。, また、FRBが早々に打つべき手を使い切ってしまった(これ以上は利下げできない)ことから、これ以上の期待は持てないという悲観的な観測が広まっています。仮に、景気後退が進んだ場合、その時点でFRBによる支援策は限界を迎えている可能性があるのです。, このような背景に加えて、ニューヨークで感染が止まらない事態が続いているため、今後のアメリカ経済はより一層厳しい局面を迎えると見通す人もいます。, トランプ政権が最も恐れていることは経済不調が11月の大統領選に悪影響を及ぼすことです。好調な経済が失速したままでは11月の大統領選に不利になることは避けられないため、それまでに是が非でも経済を立て直したいところでしょう。, そのための照準とされているのが、10月に発表される「2020年第3四半期国内総生産(GDP)の速報値」です。これは2020年7月-9月の実績が反映されるため、大統領選の直前でアメリカ経済を評価できる重要な指標なのです。, トランプ政権は7月-9月までに経済復調を実現できないと厳しい局面を迎えることになります。逆を言えば、7月-9月に向けてあらゆる手を使ってアメリカ経済を立て直しにかかるでしょう。この「テコ入れ」によって株価が回復すると見る専門家もいれば、オリンピックの延期または中止の可能性もあるためアメリカ経済は再び下落すると見る人もいます。いずれにせよ、トランプ政権にとって正念場になるでしょう。, ここではアメリカ経済を理解する上で重要な経済指標をご紹介します。トランプ大統領の最大の強みである「好調な経済」を図るための重要なポイントです。, アメリカの労働省労働統計局が、企業や政府機関を対象に失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数など10項目以上の調査を実施して集約したものです。毎月定期的に発表されるため、アメリカの雇用に関する現状を知るのに適した経済指標です。, アメリカのスーパーマーケットなど小売業やサービス業の月間売上高を集約したものです。アメリカの消費を理解するために適した経済指標で、毎月発表されており、アメリカの消費者動向の現状を知ることが可能です。, アメリカの小売業やサービス業での販売価格に関する調査結果を集約したものです。毎月公表されており、消費者が物やサービスを購入するときの価格の動きを知ることが出来る経済指標です。対照的な経済指標として「生産者物価指数(PPI)」もあります。, *CPI:Consumer Price Index
2020 アメリカ 景気